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【S-M社会生活能力検査】~卒業後の就労のために~

コスモス

 

こんにちは(´▽`*)

 

先日、3ヶ月に1度通っている小児神経科で【S-M社会生活能力検査】を受けに行ってきました。

私がこの検査をしている間、息子は違う検査を受けています。

息子には知的障害と自閉スペクトラム症の障がいがあります。

 

S-M社会生活能力検査とは

社会生活能力検査とは、社会生活能力を「自立と社会参加に必要な生活への適応能力」と定義し、子どもの日頃の様子から社会生活能力の発達を捉える検査です。

知的障害や発達障害などの特徴をもつ子どもたちの指導への手掛かりになります。

検査の仕方と特徴

・検査をする人が子どもを直接検査するのではなく、子どもの日常生活をよく知っている保護者や担任教師が回答する。

・質問項目は発達年齢段階毎に分かれていて、129項目で構成されている。

・回答結果をもとに社会生活年齢と社会生活指数を算出する。

・社会生活年齢はそれぞれの領域別に求めることができる。

・領域別に社会生活年齢と社会生活指数が算出され、社会生活年齢プロフィールを描くことで子どもの特徴がわかり、適切な指導が行える。

S-M社会生活能力検査の構成

次の6つの社会生活能力領域から構成されています。

身辺自立

衣服の着脱、食事、排泄などの身辺自立に関する能力。社会適応のための身辺処理スキル。

 

移  動

自分の行きたいところへ移動するための社会的な生活行動能力。外出場面などで交通ルールを守ったり、安全に気をつけるなど適切な振る舞い方。

 

作  業

道具の扱いをはじめとした作業遂行に関する生活能力。手指を使った日常生活で必要な動作や家の中の器具を目的に応じて使うなど生活場面での道具の操作。 

 

意思交換

言葉や文字などによるコミュニケーション能力。相手のいる状況で言葉や文字でやり取りできる力、相手との関係性を理解の上でのことば(敬語など)の使い方など。

 

集団参加

対人関係をはじめ、社会生活への参加に関する生活行動能力。状況に応じた行動スキルなど。 

 

自己統制

自己の行動を意識的・意図的に目的に方向付け、調整する能力。状況を見て今どうすべきかが分かって行動できたり、主体的に行える力の獲得。

 序文より引用

今日、障がいのある子どもを取り巻く社会環境は大きく変化してきている。たとえば、知的な発達に遅れのある子どもの場合、知能検査などによる数値だけでその判断や程度を云々することはすでに時代遅れとなっている。

少なくとも、知的な発達面の遅れだけでなく、社会生活面、つまりは適応面での遅れの両面から、その実態を把握することの重要性が問われて久しい。

ことばを替えると、個人的な能力・適性と取り巻く環境における相互作用のなかで障害程度は変化すると考える。よりよい環境調整のなかで障がいの重さ自体が変わる。

 

S-MとはSocial-maturityの略語であるが、社会成熟度と訳される。生きていくための適応力ともいえる。

どのような人も、発達の中で自立と社会参加の準備をしなければならない。それはすべての発達段階での課題として構造化される。

知的な発達に遅れのある子どもたちや発達障害などの特徴をもつ子どもたちは、この尺度で測られるような環境のなかで、どのように生活適応力を発達させているのかを客観的に捉えることは指導にあたっても大きな手ががりを与える。

 

こうした考え方に立つとき、その個人の能力や状態をダイナミックにアセスメントすることが一層、必要視、重要視される。

さまざまな課題をもつ子どもたちへのより深い理解、より効果的な指導の前提となりともに育てていくことを心から期待する。

                          上野 一彦 

 

S-M社会生活能力検査を受けた理由

前回この検査を受けたのは約10年前、小学3年生の時です。

来年は支援学校の高等部を卒業し就労することが決まっています。

7月に小児神経科を受診した際、息子の主治医から

「18歳になりましたし、ちょうど区切りもいいので再度検査をしておきましょう。今後就労するにあたって、今の状態がわかっておけば指導も受けやすいと思います。」

と言われました。

 

検査を受けながら感じたこと

10年前に受けた時のことはあまり覚えていないのですが、あの時に比べると私も客観的に息子をみることができるようになったのではないかと思います。 

だいたいこういう検査というのは、具体的に質問が書いてあるのではなく、「ひとりで爪が切れますか?」など、一見すると「できます」と答えてしまいがちのような質問になっています。

 

息子は爪は自分で切ることはできますが、爪がどのくらいまで伸びてきたら切るのかということがまだ定着していません。

爪がだいぶ伸びていても、自分で「そろそろ爪が伸びてきたから切ろう」という行動まではうつせないのです。

こちらから言わなければ切りません。

 

ということは、「ひとりで爪が切れますか?」という質問には

「自分で爪が伸びてきたかどうかを判断し、そして爪を切るという行動にうつす」

というところまでできて「ひとりで爪が切れます」と言えるのではないかと私は考えます。

 

10年前はそこまで考えていなかったので、その他の項目でも過大評価になっていたのでは・・・と思っています。

 

さいごに

私がこのS-M社会生活能力検査を受けている間、息子は発達検査を受けていました。

こちらも約10年ぶりの検査となりました。

10年前は視覚よりも聴覚優位。 

 

図形を同じように作る検査はやはり今でも時間がかかります。

反対に、検査員が言った数字を同じように言う検査では、かなり長い数字まで覚えており、言った数字とは逆の数字を言うのもかなりのところまで言えていました。

 

今回もおそらく聴覚優位の結果になるのではないかと思っています。

この10年間で発達の凹凸も変わらないままなのか、少しは差がなくなってきているのか、今のこの時期にいいタイミングで検査をしてもらえて良かったと思います。

 

1ヶ月後には検査結果がわかります。

結果を踏まえた上で、今後の課題への取り組みにいかしていきたいと思います。 

 

 

 

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